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下山 巖; 馬場 祐治; 平尾 法恵*
Advances in Engineering (Internet), 1 Pages, 2018/02
有機デバイスの性能は有機薄膜中の分子配向に大きく依存する。したがって有機分子の微細配向制御はデバイス集積化に必須の技術であるが、その手法はまだ確立していない。我々はイオンビームによりヘテロ原子ドーピングを行ったグラファイト基板上にポリジメチルシラン(PDMS)薄膜を蒸着することで有機薄膜の微細配向制御を試みた。未照射基板上でPDMS薄膜は垂直配向をとるのに対し、Arイオン照射を行った基板上ではランダム配向、Nイオン照射を行った基板上では垂直配向をとることをX線吸収分光法の偏光依存性測定と分子軌道計算により明らかにした。さらに、数十ミクロン周期のパターンのNイオン照射を行ったグラファイト基板上でPDMS薄膜が配向構造に起因するパターンを示すことを光電子顕微鏡により明らかにした。以上の結果は、この手法が有機分子の微細配向制御に対して有効であることを示している。
下山 巖; 馬場 祐治; 平尾 法恵*
no journal, ,
1次元半導体の電子構造を持つポリシランは電子物性が配向構造に依存するが、微細配向制御の手法は確立していない。我々はグラファイト基板へのイオンビーム照射による表面改質によりポリジメチルシラン(PDMS)薄膜の配向制御を試みた。未照射グラファイト基板上に真空蒸着したPDMS薄膜は水平配向構造をとるが、Arイオン照射したグラファイト上ではランダムな配向構造をとることが吸収端近傍X線吸収微細構造(NEXAFS)分光法によりわかった。またNイオン照射したグラファイト上でPDMS薄膜は垂直配向構造をとったことから、イオンビーム照射による水平/垂直/ランダムの配向制御に成功した。さらに我々は、25m間隔のグリッドパターンを通してNイオン照射したグラファイトにPDMS薄膜を蒸着し、光電子顕微鏡(PEEM)による観測を行ったところ、照射パターンに依存して配向構造が変化することを見いだした。これらの結果により、この手法がポリシラン薄膜の微細配向制御に利用できることがわかった。